パソコン・ネットの疑問

YouTuberを襲う「著作権ストライク」新たな脅威

2026年9月、海外のYouTube界隈で委託された業者がAIやBotを使って大量の削除申請を送りつける事態が問題になっています。標的は主にアニメリアクション系チャンネル。大手であっても一瞬でチャンネルBANの危機に陥る、プラットフォームの制度的欠陥とAI運用の不整合が浮き彫りになる事態となっています。

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何が起きているのか

匿名の第三者による「なりすまし」ではなく「委託された代行業者がAIやBotを使って大量の削除申請を自動送信しているケースがある」というのが実態に近いようです。人気作品名を自動検索し、ヒットした動画や過去動画へ一斉に数十〜100件超の削除申請が自動送信されている状況のようです。YouTubeには「3ストライクでBAN」というルールがあり、結果的に瞬時にチャンネルが機能停止に追い込まれるケースが相次いでいます。

対象がアニメ系チャンネルに偏っているのは委託元がアニメ配信・出版関連の権利者であると思われます。標的が絞られること自体は自然な結果とも言えます。

※個々の申請の中身が本当にフェアユースの範囲を超えているかどうかはケースごとに争いのある部分です。委託業者による「取り締まりの行き過ぎ(オーバーリーチ)」が主な要因とみられています。ただこれも含めてまだ全体像が確定しているわけではありません。

なぜこの過剰申請を防げないのか

  • 推定有罪ルールとされる仕組み:削除申請が届くと内容の真偽を精査する前に動画が非公開・ストライク処分になるとされています。申請者側の事前審査は緩いとみられ、申請が通ってしまうケースも報告されています。
  • 手動対応の限界:異議申し立ては1件ずつ手動フォーム送信が必要とされ100件超のストライクには対応が追いつかないとの声があります。
  • 個人情報開示のリスク:異議申し立てには本名・住所の入力が必須で申請元にそのまま伝わる仕組みになっています。正規の業者であっても見知らぬ相手に個人情報を渡すことに抵抗感がある人はいて、それが異議申し立てをためらう一因になっているとみられます。

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まとめ

これは一部の海外リアクション系YouTuberだけの問題ではありません。これはプラットフォームが抱える構造的な課題と言えます。少量の申請であれば個別の異議申し立てで対処できますが、AIによる大量申請に対してクリエイター個人が取れる即効性のある防衛手段は限られているのが現状です。今回のケースではSNS等で被害を拡散して問題を可視化することや、弁護士を介して委託元の権利者(公式)へ直接アプローチし、一括撤回を求める動きが有効な対抗策として考えられます。

過剰申請の問題がある一方で申請自体は権利保護に基づく正当なケースも含まれています。 特に日本の著作権法においては、アメリカのような包括的な「フェアユース」の規定が存在しないため、映像を使用したリアクション動画は著作権侵害(無許諾利用)と判断されるリスクが高いと指摘されています。クリエイター側も自身の投稿内容や権利関係を改めて再精査することが求められます。

【補足:なりすまし申請との違いについて】

なお今回のケースとは別に権利者と無関係の第三者が「なりすまし」で虚偽の著作権侵害を申し立てるという詐欺的な手口も存在します。こちらは今回の話とは性質が異なるのでまた別の機会に触れたいと思います。

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